株式投資で損をしないためには、
半永久的に成長する会社の株を
適切な価格で買い、
時間を味方につけて、
複利の力で運用することです。
成長し続ける会社の共通点では
10年、20年、30年後も右肩上がりで
成長し続けて複利をもたらしてくれる
会社の見抜き方は
戦略が
独占(的)企業かどうか?差別化、ブランド、集中化に
成功しているか?
ということをお伝えしてきました。
そんな会社を数字で見抜くには
決算書で見ることです。
決算書には大きく3つに分けられます。
・損益計算書
・賃借対照表
・キャッシュフロー計算書
ここに書かれている数字から
投資したお金を活用し
永続的に成長して行ける企業かどうか?
を見抜いていく訳です。
損益計算書の読み方
今回は損益計算書(P/L)からご説明していきます。
名目の通り、
どれだけ損をして、利益を出しているか?
が書かれています。
ほとんどが経費について書かれています。
その経費が何に使われているのかを
見ていくのです。
売上よりも利益を重視します。
大企業かどうかは関係ありません。
小さくても、
投資したお金を10培、100培にしてくれる
ような永続的に成長していく企業を
見つけるのが目的です。
売上
損益計算書は(図1)のように
売上から、原価や経費を引いて
最終的な利益を見ていくので
逆三角形のように下に行けば行くほど
数字が小さくなっていきます。
最終的な利益が「当期純利益」
というわけです。
経費の項目を1つずつ説明していきます。
①原価とは
製造にかかる材料と、
従業員の労務費のことです。
小さければ小さいほど良いわけです。
売上を100としたら
原価は30以内であることが望ましいでしょう。
逆に、原価が売上の80になってしまえば、
利益が無いことになるので
永続的に成長していく企業を
維持するのは難しいでしょう。
真っ先に利益が無いということがわかったら
他の項目を見る必要が無く
他の企業を探していくということになります。
売上総利益(粗利)
売上-原価を引いたものが
売上総利益(粗利)
となります。
企業の燃料になる部分です。
多ければ多い方が良いです。
②販売管理費とは
ホームページの制作や管理
宣伝、広告、営業マンや
マーケティングをする人財など
製造した商品の販売にかかったお金
のことです。
また、事務所の家賃や電気ガス、水道代も
この部分に含まれます。
営業利益
売上総利益(粗利)- 販売管理費を引いたものが
営業利益となります。
営業利益が売上の10%以上の企業が
永続的に成長する企業の指標となる
部分と言えるでしょう。
③営業外費用とは
銀行からお金を借りている場合の
利息、手数料、ローンなど
本業以外でかかったお金のことです。
なので「0」に近いほうが良いです。
経常利益
営業利益 - 営業外費用を引いたものが
経常利益となります。
④特別損失とは?
災害や事故による工場の損失による修繕
不祥事の損害賠償など
その年のみにかかった損失のことが
当てはまります。
税引前当期純利益(税前利益)
経常利益 - 特別損を引いたものが
税引前当期純利益(税前利益)となります。
⑤法人税
最後に税金の項目について書かれます。
※法人税は2018年現在
税引前当期純利益の30%です。
当期純利益
税引前当期純利益(税前利益) - 法人税
を引いたものが当期純利益となります。
効率よく財務諸表を見るには?
①当期純利益
最終的な利益の部分になります。
一番初めに当期純利益を見て
赤字であればその年の事業は上手くいっていない
ことがわかります。
ただ、損益計算書は10年間を横に並べた時に判断するものです。
右肩上がりで成長し続けていても
必ず上げ下げはあります。
その年がたまたま下がってた年の可能性があるからです。
10年間を通して
右肩上がり傾向であれば
赤字の年があっても良い場合があります。
その年の赤字の原因を見るのが
「特別損失」の部分です
災害や事故が起きたのか?
たまたま不祥事が起きて、対応をしていたのか?
特別損失以外に
黒字が10年間、右肩上がりであれば
その年だけ赤字だとしても
成長し続ける企業と言えます。
②営業利益、売上総利益
本業が儲かっているかを
見極めることが出来ます。
当期純利益だけを見て
儲かっているように見えても
たまたまその年だけ
土地や事務所を売ってしまったり
その年だけ
本業以外で儲けている場合が
あるからです。
永続的に成長する企業は
本業が儲かっている必要があるのです。
「1.2倍の複利」を増やす企業とは?
永続的に成長する企業は
現状維持のままではいけません。
株が毎年、1培、1培ではなく
1.2培、1.2培と複利で増えていくためには
当期純利益(利益)を規模拡大のために
投資しなければなりません。
なので、儲けた当期純利益(利益)を株主の
配当に回すのではなく
設備投資や規模拡大にかけている必要が
あるのです。
利益を再投資するから
1.2培、1.2培と複利で増えていくのです。
書類上は「内部留保」となり
投資するための一時的な貯金
となる訳です。
次回は賃借対照表の読み方についてご説明いたします。